
工場や倉庫の暑熱対策は新築時の遮熱工事がおすすめ。建物完成後に発生しがちな追加の屋根工事や空調増設を防ぎ、コストパフォーマンスの最も高い暑さ対策に繋がります。
特に金属屋根の工場や倉庫のような建物では、夏の暑さと屋根の熱伝導特性を過小評価すると、完成後に「想定以上に暑い」という問題が顕在化しやすくなります。
1. 新築計画時、「夏の暑さ」はどうして軽視されやすいのか
新築の工場や倉庫を計画している段階では、
- 断熱材は入れている
- 空調設備も想定している
- 図面上では問題なさそう
と判断し、「暑さ対策は足りている」と感じることが少なくありません。
しかし、これは
“完成前だからこそ実感できない暑さ” を前提にした判断でもあります。
実際には、稼働を始めて最初の夏を迎えたときに、
- 室温が想定以上に上がる
- 空調が効きにくい
- 空調費が予想以上に高い
といった問題が表面化するケースが多く見られます。
2. 金属屋根は「熱が伝わりやすい」ことを前提に考える必要がある

金属屋根は、工場や倉庫で多く採用されていますが、熱伝導率が高いという明確な特性があります。
例えば、一般的な建材の熱伝導率は次の通りです。
- 鋼板(ガルバリウム鋼板など):約50 W/m・K
- コンクリート:約1.6 W/m・K
- 木材:約0.1〜0.2 W/m・K
金属は、コンクリートの約30倍、木材の数百倍も熱を伝えやすい素材です。
つまり、
- 日射を受けると屋根表面が急激に高温になる
- その熱が屋根全体に伝わりやすい
- 屋根自体が“大きな熱源”になりやすい
という状態が生まれます。
断熱材は「熱の伝わるスピードを遅らせる」材料であり、熱は確実に建物内に入っていくものなのです。
3. 遮熱材は「輻射熱を反射する」材料です
遮熱材は、断熱材とは役割が異なります。
- 断熱:入ってきた熱をゆっくり伝える
- 遮熱:そもそも熱を入れにくくする
特に金属屋根では、太陽の熱を直接受けて高温になります。高温になった屋根の熱を建物内部に入れず反射できるかどうかが、室内環境に大きく影響します。
遮熱工事を新築時に組み込むことで、
- 高温になった屋根の熱を建物内に入りにくくする
- 天井・梁・設備が熱を持ちにくい
- 室温上昇を大幅に緩やかになる
という効果が期待できます。

4. 「完成後に遮熱を追加する」と何が起きるか
新築時に遮熱を見送り、完成後に「やはり暑い」となった場合、
- 足場の再設置
- 屋根工事の再実施
- 稼働中施設への養生
- 作業制限による工期調整
が必要になります。
これは、屋根工事を実質もう一度行う ことを意味します。
条件によっては、新築時に遮熱を入れておくよりも、屋根まわりの工事費が大きく膨らむケースもあります。
5. 断熱より高価な遮熱を、新築時に選ぶ意味
遮熱材は、材料単価だけを見ると断熱材より高価です。
そのため、
「本当にそこまで必要なのか」
と迷われるのは自然なことです。
ただし判断のポイントは、材料価格の比較ではありません。
- 金属屋根である
- 夏の直射日光を強く受ける
- 天井が高く、空調が効きにくい
こうした条件が揃う建物では、暑さの主因は「伝導熱」よりも「輻射熱」であることが多く、遮熱の効果が価格以上に現れやすくなります。
断熱材のイメージ


遮熱材のイメージ


6. 新築時の遮熱工事は「後悔を防ぐための選択」
遮熱工事を新築時に施工する判断は、
- 今すぐの体感ではなく
- 将来の運用・改修リスクを減らす
ための選択です。
「最初の夏を迎えてから考える」よりも、最初から暑くなりにくい建物としてスタートする。
その方が、結果的にコストも手間も抑えられるケースが少なくありません。
まとめ
遮熱工事は、新築時に施工することで、金属屋根特有の夏の暑さを根本から抑え、完成後の追加工事を防ぐことができます。
夏の暑さや金属屋根の熱の伝わり方を過小評価せず、設計段階で遮熱工事を組み込むことが、新築時における最もコストパフォーマンスの高い選択と言えます。
弊社は「工場・倉庫のミカタ」です。
創業昭和2年から98年の間、建物のメンテナンスのプロ(職人)として経験と知識を培ってきました。下記から弊社の遮熱工事をご覧ください。



