カーボンニュートラル
カーボンクレジット
カーボンオフセット
脱炭素
地球温暖化

開催日:2024年11月8日(金)
参加者:4名

今回の内容は「カーボンオフセット」と「カーボンクレジット」について勉強しました。
前回の内容を詳しく解説する内容になっています!


カーボンオフセットとは

カーボンオフセットとは、私たちの生活や経済活動でどうしても排出してしまう二酸化炭素などの温室効果ガスについて、別の場所で温室効果ガスの削減活動を行い、その排出量を相殺する考え方です。(前回のブログより)

カーボンオフセットを実施する上での基本な考え方

「知って、減らして、オフセット」

①知って(排出量の算定)、②減らして(削減努力の実施)、③オフセット(埋め合わせ)の 3 ステップで行う。
③について・・・どうしても削減が難しい部分の温室効果ガス排出量に対して、他の場所、企業で実現した温室効果ガスの排出削減・吸収量等を購入すること(カーボンクレジットを購入するという)、又は他の場所で排出削減・吸収を実現するプロジェクトや活動を実施すること等により、自社で排出している温室効果ガスの排出量の全部又は一部を埋め合わせるという考え方です。

例えば、ある企業または団体が森林保全活動を行っていたとします。その活動に投資することで、森林のCO2吸収量が増えます。その増加した分の吸収量を、自社の温室効果ガス排出量と相殺できるのです。

【出展】カーボン・オフセット ガイドラインVer.3.0

カーボンオフセットの取り組みにはカーボンクレジットが重要

カーボンクレジットとは、CO2などの温室効果ガスに関して、大気への排出抑制、あるいは大気からの吸収によって削減した量を排出権として発行し、国や企業間などで取引できる仕組みです。
温室効果ガスの削減は、森林の保護や植林、風力や太陽光など再生可能エネルギーによる発電、省エネルギー機器導入などによって生じます。(カーボンクレジットとは「温室効果ガスの排出権を売買できる仕組み」のこと。)

カーボン・オフセットに取り組む上での留意点についてはこちらのP5をご覧ください

カーボンクレジットの2つの仕組み

カーボンクレジットには、大きく分けて2つの仕組みが存在します。

  • ベースライン&クレジット制度←こちらが主
  • キャップ&トレード制度

ベースライン&クレジット制度

ベースライン&クレジット制度とは、温室効果ガス削減量に認証を与え、国や企業等の間で取引可能にしたものです。この制度は、森林管理や省エネ・再エネ設備の導入などの排出削減プロジェクトの実施が前提です。それらのプロジェクトが実施されなかった場合の温室効果ガス排出量を「ベースライン」(基準)として、そこから削減された分を「クレジット」化して取引します。

例えば、工場で使用している古いボイラーを、省エネ型の新しいものに買い替えたとします。新しいボイラーは、古いボイラーよりも排出量が少ないはずです。この時、新旧ボイラーの排出量の差分が、クレジットとなります。

ベースライン&クレジット制度は、民間企業などの自主的な取り組みで用いられる方法として一般的で、現時点ではカーボンクレジットの主流でもあります。

キャップ&トレード制度

キャップ&トレード制度とは、温室効果ガスの排出枠(キャップ)を設定し、排出枠を上回った排出者と下回った排出者同士で、排出枠の超過分と余剰分を「トレード」できる制度です。多くは温室効果ガスを多く排出している産業の特定業種やセクターに限定して行われるもので、政府などによる規制的側面をもつことが特徴です。

例えば、排出枠が80トンと定められた事業所AとBがあるとします。
実際の排出量が、Aは90トン、Bは70トンだった場合、Bは排出枠80トンからのマイナス分である、10トン分のクレジットの発行が可能です。一方、Aは、Bが発行したクレジットを購入することで、10トン分の排出枠超過を補うことができます。

この制度は、EU、アメリカ、アジアなど各国で広がっており、国内においては、東京都が導入する、工場やオフィスビルなどを対象とした制度が一例です。企業に対して排出枠が定められているか、いないかの違い。

【出展】カーボン・クレジット・レポートの概要PDF(経済産業省)

※排出枠とは、政府が設定した総排出量の目標を達成するために、企業に割り当てる温室効果ガスの排出上限値のことです。企業は、実際の排出量と割り当てられた排出枠が一致するよう努力しなければいけない。

カーボンクレジットの2つの仕組み

  • J-クレジット制度
  • Jブルークレジット
  • 二国間クレジット制度(JCM)

※カーボンクレジットには「国連・政府」が運営するものと「民間セクター」が運営する者の2種類ある

J-クレジット制度

J-クレジット制度は、2013年より日本政府が運営するカーボンクレジット制度です。
ベースライン&クレジット制度の一つであり、制度管理者は、経済産業省・環境省・農林水産省です。環境と経済の両立を実現するために、省エネ・再エネ設備の導入や適切な森林管理などによる排出削減・吸収量を​幅広くクレジット認証し、クレジット活用による国内での資金循環を促しています。

Jブルークレジット

Jブルークレジットは、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合 (JBE) が制度管理者となり、2020 年より認証を行う国内のボランタリークレジット制度です。
海の植物が吸収した炭素である「ブルーカーボン」を対象とする点が特徴で、漁業組合や水産会社などが海藻を育ててクレジットを発行するプロジェクトなどが想定されます。
世界的にも海岸線延長の長い日本では、ブルーカーボンは重要なCO2吸収源の一つだと考えられています。

二国間クレジット制度(JCM)

二国間クレジット制度とは、脱炭素技術・製品・システムなどの普及によって、​​途上国の温室効果ガス排出削減・吸収に協力し、その貢献分のクレジットを日本が獲得する制度です。
「Joint Crediting Mechanism」を略して、JCMと呼ばれます。
日本は2011年からJCMに関する協議を開始しており、モンゴル・バングラデシュ​​・エチオピアなどを皮切りに、近年はパプアニューギニア​​・アラブ首長国連邦・キルギス共和国​​などとパートナー国になっています。


参加者の感想

ポッドキャストで聞いているとよくわからなくて聞き流していたけど、勉強してわかってくると面白い。


前回の具体的に説明してくれてよくわかった。ちょっとずつ環境のことがわかって興味をもつようになった。ニュースにも興味を持つようになった。いい機会になった。


環境問題への取り組みがビジネスになっている様子がすごくわかった。カーボンの売買ができるというのはすごい仕組みだなと思った。


カーボンクレジットという概念が分かった。どのように売り買いがされているのかが分かってよかった。


参考にしたサイト

●カーボン・オフセット ガイドラインVer.3.0 PDF(環境省)
https://www.env.go.jp/content/000209289.pdf

●カーボンクレジットとは?いつからある?仕組みや種類、日本の市場をわかりやすく解説!eTREE編集室
https://www.etree.jp/content/10045/

●カーボン・クレジット・レポートの概要PDF(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/carbon_credit/pdf/004_s04_00.pdf

●J-クレジット制度及びカーボン・オフセットについて(環境省)
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/mechanism/carbon_offset.html

●J-クレジット制度
https://japancredit.go.jp

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