開催日:2025年5月9日(金)
参加者:4名

今回の勉強会では、「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」について学びました。この制度は、企業などの排出状況を「見える化」し、温暖化対策を加速させるための重要な取り組みです。一方で、算定・報告に伴う業務負担や、企業活動への影響についても考えるきっかけとなりました。

温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度(SHK制度)とは?

SHK制度は、「地球温暖化対策推進法」に基づき、一定量以上の温室効果ガスを排出する事業者に対し、排出量の算定と国への報告、公表を義務づける制度です。
企業自らが排出量を把握・報告することで、自主的な温暖化対策の基盤づくりを促進し、情報の透明化によって社会全体の環境への意識向上と取り組みを後押しすることを目的としています。

出典:温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度について

報告対象となる排出量の種類

1.温室効果ガス別の算定排出量(基礎排出量)

自らの事業活動に伴い直接的または間接的に排出した温室効果ガスの排出量

2.調整後温室効果ガス排出量(調整後排出量)

実際の排出量から、カーボンクレジットなどのオフセット(無効化)を差し引いた、調整後の温室効果ガス

3.排出量報告対象となる温室効果ガス

出典:温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度について

報告対象となる事業者

出典:温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度について

温室効果ガス排出の「スコープ1・2・3」とは

スコープ1自社の活動で直接排出される温室効果ガス例:工場での燃料燃焼、社用車のガソリン使用、製造工程での排出
スコープ2自社が使用する電気・熱・照明などの購入に伴い間接的に排出される温室効果ガス例:事務所や工場で使う電力による発電所でのCO₂排出
スコープ3原材料の調達、製品の使用、廃棄、外注など、自社の活動に関連するが他社が排出する温室効果ガス例:物流・輸送、仕入れ先での排出、顧客による製品使用時の排出

中小企業が直接報告の対象になるケースは少ないですが、大企業のスコープ3(取引先由来の排出)として影響を受ける可能性が高まっています。

中小企業におけるカーボンニュートラル対応の重要性

中小企業の温室効果ガス排出量は日本全体の約1〜2割を占めると推計され、約1.2〜2.5億トンにのぼります。
近年では、サプライチェーン全体でカーボンニュートラルを目指すグローバル企業が増加しており、中小企業も脱炭素方針への対応を取引先から求められるケースが増えています。
さらに金融機関も、融資先のGHG排出量を把握したり、環境対応を重視する動きを強めており、中小企業にとっても無関係ではなくなってきています。

遮熱工事で温室効果ガス(GHG)削減に貢献!中小企業の脱炭素対策にも有効

遮熱工事は、空調エネルギー使用量の削減によりスコープ2のCO₂排出を抑え、工場や倉庫の快適性も向上させます。さらに、太陽光発電と組み合わせることで電力自給と遮熱効果の相乗効果が生まれ、GHG削減のインパクトが拡大します。
中小企業にとっては、報告義務の有無に関わらず、取引先や自治体・金融機関から脱炭素対応が求められる時代。遮熱工事は導入効果を数値で示せるため、温室効果ガス削減に貢献する取り組みとして提案書や報告書にも明記可能。選ばれる施工対策のひとつです。

中小企業支援機関によるカーボンニュートラル・アクションプラン

経済産業省は、中小企業団体や金融機関等の支援機関が2050年カーボンニュートラルに向けて会員企業等の脱炭素化と持続的な成長を支援する取組みを「カーボンニュートラル・アクションプラン」としてとりまとめています。
下記は三重県を抜粋して記載しています。

公財)国際環境技術移転センター四日市市国の政策に沿って、脱炭素の方策として再生可能エネルギー関係やサプライチェーンにおけるCO₂削減支援、資源循環特に使用済みプラスチックの循環について、東南アジアオヨに太平洋嶼国における取組を目指して検討調査を重ねる。また、それらの社会実現のためのプレイヤーとなる企業を支援する。・中小企業における温室効果ガス排出量算定等脱炭素化に関する取組を支援する研修・セミナーの企画・実施 (開始済)
・上記に関連したモデル企業の温室効果ガス排出量削減に向けた個別サポート(計画中)
・再生可能エネルギー等環境技術やLCA等経営手法に係る高い知識技術を持つ企業・団体と連携した脱炭素化事業支援 (計画中)
https://www.icett.or.jp/index.html
三十三銀行四日市市当行では、脱炭素に関する取組みの導入・計画・実行のどの段階からでもワンストップで支援を行う。カーボンニュートラルサポートなど、様々なサービスを通じてお客様のサスティナビリティ実現に向けた取組みをサポートいたします。<主な支援メニュー>
カーボンニュートラルサポート
ポジティブ・インパクト・ファイナンス
サスティナビリティ・リンク・ローン
SDGs私募債
利子補給付融資制度
補助金・助成金申請サポート
<HP>
https://www.33fg.co.jp/company/activities.html
三重県信用保証協会津市・「SDGs特定社債保証制度」SDGsの達成に向けて地域課題解決に取組む中小企業者の円滑な資金調達を支援します。
・三重県融資制度「DX・脱炭素投資促進資金融資制度」DXの推進や脱炭素経営など新たな経営課題に対応するための設備投資を行う中小企業者が円滑に資金調達できるよう支援します。
https://www.cgc-mie.or.jp/seido
出典:中小企業支援機関によるカーボンニュートラル・アクションプラン

感想

SHK制度が大企業だけでなく中小企業にも対応を求められるとかなりの負担になりそうですが、弊社のECO遮熱工法®によって温室効果ガス削減に貢献でき、企業のお手伝いになるのではないかと感じました。


大企業が仕入れている材料も対象になるのか。これから中小企業にも算定、報告の義務が課せられるのは間違いないので対応できない企業は取引できないでしょうし、移行期間中は対応できる中小企業はそれが付加価値になるのかなと思った。


排出量を算出して「見える化」することは意識づけにとても有効だと感じました。一方で、算出や報告には手間や負担も伴います。現時点では報告義務だけですが、将来的に罰則や排出量削減の義務が加わると、対応がさらに大変になるのではないかと感じました。


この制度を知って、「大企業はこうやって義務化に向けて準備をしているのだな」と思いました。大企業は政府の指示に沿って「算定」して、「報告」をしている。それが「中小企業」にやってくるのはかなり後となります。私たち中小企業は、こういう制度が進行していることを知って、準備をしていかないといけないのだと感じました。

参考にしたサイト

温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度について
https://ghg-santeikohyo.env.go.jp/files/review/2024/revw_20241017_3.pdf

中小企業のカーボンニュートラル施策についてhttps://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/SME/network/02.pdf

中小企業支援機関によるカーボンニュートラル・アクションプラン
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/SME/index.html

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