
― 海外研究と日本の実証研究から考える、ECO遮熱工法®という選択
工場や倉庫の作業環境では、温度変化が作業効率に影響していると感じる場面が少なくありません。
海外研究では、室温が1℃変化するごとに作業効率が約1〜2%変動する傾向が報告されており、この関係をもとにすると、室温に5℃の差が生じた場合、作業効率に約5〜10%程度の影響が及ぶ可能性が示唆されます(換算値)。
日本の研究でも、室温の違いによって注意力や集中力といった作業効率の基盤が変化することが確認されています。
本稿では、これらの研究をもとに、工場・倉庫における温度変化と生産性の関係、そしてECO遮熱工法®による解決策を考えます。

海外研究が示す「温度と生産性」の定量的関係
温度と作業効率の関係について、最も広く引用されている研究の一つが、Seppänen ら(2006)によるレビュー研究です。
この研究は、複数の既往研究を統合分析し、室温と生産性の関係を定量的に整理しています。オフィス内での作業を想定していますが、工場・倉庫内での作業にも参考となると考えまとめてみました。
研究結果では、
- 作業効率は約21〜22℃付近で最大となり
- 特に高温側では、室温が1℃上昇するごとに、作業効率が約1〜2%低下する傾向
が示されています。
この関係をもとにすると、室温に5℃程度の差が生じた場合、作業効率に約5〜10%程度の影響が及ぶ可能性があると考えられます。
※これは研究結果をもとにした換算値であり、影響規模の目安を示すものです。
5℃の変化で、1人当たり約5〜10%程度の影響が出る可能性があるということは、従業員全体に換算するととても大きな数字になります。
日本の研究が示す「注意力・集中力」への影響

一方、日本国内でも、温熱環境と作業効率の関係についての実証研究が行われています。
岩下剛・合原妙美ほか(2004)の研究では、室温の違いが注意力や認知機能にどのような影響を与えるかが検証されました。
この研究では、
- 室温 約22℃
- 室温 約29℃
という条件下で、被験者に映像を視聴させ、その理解度や心理評価を比較しています。
その結果、
- 22℃条件の方が、中程度の注意力を要する課題で良好なパフォーマンスを示す傾向
- 29℃条件では
- 集中しにくい
- 疲労感が強い
- 眠気を感じやすい
といった心理的負担が大きいという評価が得られました。
この研究は%での生産性低下を示すものではありませんが、室温の違いが注意力・集中力といった作業効率の基盤となる要素に影響することを、日本人被験者のデータとして示しています。
暑さの研究結果だが、寒さにも同様のことが言える理由
海外研究・国内研究ともに、検証されているのは主に「高温側(暑さ)」の条件です。
しかし、両研究が共通して示しているのは、温度が最適域から外れること自体が、人のパフォーマンスに影響を与えるという点です。
低温環境では、
- 体温維持に余分なエネルギーを使う
- 手指や身体の動きが硬くなる
- 集中力を保つ負荷が大きくなる
といった反応が起こりやすくなります。
影響の現れ方は暑さとは異なりますが、結果として作業効率を下げる要因になる点では共通しています。

そのため、暑さに関する定量研究は、「温度が最適域から外れた場合の影響モデル」として、寒さを含めた温度管理全体に応用して考えることができます。
工場・倉庫では温度変化の影響がより大きくなる

工場や倉庫は、一般的なオフィスと比べて、
- 天井が高い
- 屋根・壁から外気の影響を受けやすい
- 室内に温度ムラが生じやすい
といった特徴があります。
そのため、作業者は一日の中でも何度も温度変化にさらされ、注意力や集中力を維持する負担が大きくなりやすい環境にあります。
問題は「暖房・冷房」ではなく「温度の安定性」
多くの現場では暖房や冷房が導入されていますが、
- 暖気・冷気が偏る
- 出入口付近で外気の影響を受け続ける
- 温度ムラが解消されない
- 光熱費の負担が増える
- 二酸化炭素の排出量が増える
といった課題が残ります。ここで重要なのは、熱を足す・奪うだけでなく、熱の出入りを抑え、温度変化そのものを小さくすることです

温度変化を抑える解決策としてのECO遮熱工法®
こうした課題に対する有効な選択肢が、ECO遮熱工法®です。
ECO遮熱工法®は、屋根や壁からの放射熱の影響を抑えることで、建物全体の温熱環境を安定させる工法です。
これにより、
- 室内の温度ムラが小さくなる
- 外気温の影響を受けにくくなる
- 作業環境が安定しやすくなる
といった効果が期待できます。
ECO遮熱工法®が現場で導入しやすい理由
ECO遮熱工法®には、現場管理の視点で大きなメリットがあります。
- カバー工法のため、工場・倉庫内に足場設置が不要
- 無塵工法のため、稼働しながら工事が可能
- 雨漏り修理工事も同時に施工可能
生産活動を止めずに、温熱環境の改善を進めることができます。
暖房に頼らず、外より暖かい建物という可能性
ECO遮熱工法®を導入した建物の中には、冬の朝、外気より室内の方が暖かい環境を保てるケースもあります。
これは設備を増やした結果ではなく、温度変化を抑える建物環境そのものを整えた結果です。
生産性を左右するのは「温度変化の管理」
海外研究は、温度と生産性の関係を数値モデルとして示し、日本の研究は、温熱環境が注意力・集中力に影響する実証データを提供しています。
これらを合わせて見ると、工場・倉庫の生産性を守るために重要なのは、暑さ・寒さ対策そのものではなく、温度変化をいかに抑えるかという視点です。
ECO遮熱工法®は、一年を通じて安定した温熱環境を実現し、生産性を支える建物づくりを可能にする選択肢の一つです。
参考文献
Seppänen, O., Fisk, W. J., & Lei, Q. H. (2006)
Room Temperature and Productivity in Office Work
Lawrence Berkeley National Laboratory (LBNL-60952)
岩下剛氏・合原妙美氏ほか(2004)
室温の違いが作業効率に及ぼす影響
日本建築学会 環境系論文集, 69(585)
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