開催日:2025年7月30日(水)
参加者:4名

今回は、工場や店舗での太陽光パネル導入に関する新しいルールと、注目の「ペロブスカイト太陽電池」について学びました。
制度や最新技術の動きを知ることで、これからの省エネ・脱炭素へのヒントを得られる時間となりました。

2026年度 工場・店舗における太陽光パネル「導入目標策定義務」

制度の概要

対象事業者

・年間エネルギー使用量が1,500㎘(原油換算)以上 (金額でいうと約1.5億円/年 のエネルギー使用)
・「省エネ法」指定のエネルギー管理事業者
・全国で約12,000社

義務内容

・工場や店舗の屋根に置く太陽光パネル導入「目標」の策定義務化
・再来年度(2027年)以降、計画進捗の年次報告義務あり
・虚偽報告には50万円以下の罰金

引用元(報道)

NHK NEWS(2025/7/11)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250711/k10014859891000.html
毎日新聞(2025/7/11)
https://mainichi.jp/articles/20250711/k00/00m/040/336000c
Yahooニュース(2025/7/11)
https://news.yahoo.co.jp/articles/921cff46000a09a3d5b55bbc9055fbbb3231af6b

経済産業省公式のプレスリリースは現時点(2025年7月)では未公表ですが、複数のメディア報道により制度方針が確認されています。

背景

エネルギー基本計画に基づく目標

・太陽光発電比率を2040年までに23~29%へ(現状:約9.8%)
・政府の「エネルギー基本計画」の一環

狙い

・工場や倉庫、店舗の「未活用屋根」を活用
・再エネ比率の拡大と自家消費電力の最適化

参考リンク

省エネポータル:特定指定業者https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/factory/procedure/
東京都の太陽光義務化制度
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/climate/solar_portal

東京都では2025年4月から大手ハウスメーカー等の事業者が新築する延床面積2,000㎡未満の建物に太陽光パネル設置等を義務付けされました。既存の建物は対象外です。

ペロブスカイト太陽電池が注目される理由

今回の政策で特に注目されているのが「ペロブスカイト太陽電池」です。

現在の主流:シリコン系太陽電池

シェア95%(国内)
メリット:高耐久、高変換効率
デメリット:重量があり屋根構造に制約(古いスレート屋根等で課題)

ペロブスカイト太陽電池の特徴

低コスト化:フィルムなどに塗布・印刷で製造→工程がシンプルで大量生産可能
軽量&柔軟:屋根重量制限がある古い建物にも適応しやすい
資源面の強み:主材料「ヨウ素」→日本の生産量は世界シェア30%(第2位)また、他国依存が少なく経済安全保障にも貢献

出典:積水化学工業株式会社

工場・倉庫への実装課題と解決策

課題

・古い建物(特にスレート屋根)では太陽光パネルの重量が問題
・カバー工法により重量アップで太陽光パネルを断念
・「どちらか一方しかできない」という選択になってしまう恐れ

解決アプローチ

ECO遮熱工法®による屋根改修で暑さ寒さ対策+屋根補強
・その後、軽量のペロブスカイト太陽電池で創エネ実現

→「暑さ寒さ対策+創エネ」=理想の省エネ・脱炭素工場が近未来で実現化

感想

今回は太陽光パネル導入「目標」の策定義務だけですが、これから太陽光発電設置が義務になる流れだと思う。省エネと創エネにつながる取り組みを自社でも提案していきたい。


主流の太陽光パネルよりも軽量で、設置や施工のしやすさという点はとても魅力的だと感じました。一方で、まだ実験段階の技術で普及はこれからという印象なので、今後どのように実用化が進んでいくのか楽しみです。


太陽光発電の「目標数値」があることを知り、国の決定に沿って新しい技術が開発されているのだと気づきました。もっと調べてみようと思っていた勉強会の翌日、「ペロブスカイトを建物の窓ガラスに設置を!」というニュースが目に飛び込んできました。今までなら見過ごしていたと思われるニュースをキャッチできるのも、勉強会の効果ですね!ありがとうございました。

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