開催日:2025年11月17日(月)
参加者:4名

今回の勉強会では、三重県が進めている「ゼロエミッションみえ」について学びました。気候変動への対応を単なるリスクとして考えるのではなく、カーボンニュートラルへの取り組みを、産業経済発展のチャンスとして捉えている点がとても印象的でした。こうした取り組みが私たちの身近な三重県でも進められていることを知り、より身近に感じることができました。

ゼロエミッションとは

ゼロエミッションとは、温室効果ガス(GHG)などの排出を実質ゼロにしようという考え方です。もともとは1994年に国連大学が「廃棄物を出さない産業システム」として提唱しました。その後、気候変動が深刻化する中で、カーボンニュートラルやネットゼロと並ぶ重要な概念として再び注目されています。
今では「廃棄物を減らす」という枠を超え、エネルギー、企業活動、社会全体の仕組みを変えていく広い取り組みを意味するようになっています。

【出典】IDEAS FOR GOOD

「ゼロエミッションみえ」プロジェクト推進方針の概要について

1.目的

  • 温室効果ガスの排出削減や気候変動への対応をリスクとして受け止めるだけでなく、国のグリーン成長戦略を踏まえて、カーボンニュートラルへの取り組みを新たなチャンスと捉える。その動きを県内産業の発展につなげていくことを目指す。
  • 推進方針 は、「ゼロエミッションみえ」プロジェクトの推進に係る取組 の方向性を提示し、これに基づき全庁を挙げて取り組む。

2.「ゼロエミッションみえ」プロジェクトの位置づけ

3.方向性・期間 

○本県の強み・弱みを踏まえた当面の取組みの6つの柱
○取組み期間 令和5年3月から令和9年3月(令和8年度末)まで

【出展】「ゼロエミッションみえ」プロジェクト推進方針の概要について

本プロジェクトと遮熱工事の関連性

プロジェクトの目的

●2050年温室効果ガス排出実質ゼロ
●排出削減と吸収源確保の両方を重視
●産業・家庭・運輸などあらゆる分野での取組みを促進

注目ポイント 遮熱工事と結びつく部分

●エネルギー起源CO₂削減(=省エネ)
●データ活用/見える化を重視(遮熱効果の数値管理と相性が良い)
●企業の自主的な削減努力の促進
※県は具体例として空調使用量の削減までは記入していないが、「省エネによる排出削減」は明確に枠組みに含まれている

プロジェクト内に記載で遮熱工事と関連がありそうな箇所

●自動車分野の「生産過程のCO₂排出量削減」
●CO₂排出量の算定や電力使用量等のデータ把握・分析の講座を開催

自動車産業で使用されている「生産過程のCO₂削減」手法

①再エネによる電力転換(太陽光・風力など)

●工場屋根の太陽光発電
●グリーン電力の調達
↳工場全体のCO₂排出に最も効果が大きい手段

②設備の省エネ化(高効率設備への更新)

●高効率モーター・インバーター化
●LED・高効率空調
●排熱回収システム
↳「省エネ=CO₂削減」の王道

③生産ラインの効率化(デジタル化)

●loTによる稼働状況の見える化
●AIで予兆保全・停止時間の削減
●自動搬送ロボットの最適化
↳ムダ時間が減る=電力が減る

④材料と工程の見直し

●リサイクル材の利用
●材料軽量化
●3Dプリンターで加工工程を削減
↳工程そのものを短縮しCO₂削減

⑤脱炭素型の熱源への転換

●水素燃焼炉の活用
●電子炉化
↳高温工程のCO₂を大幅減

⑥輸送(工場間ロジスティクス)の効率化

●トラック→鉄道・船に切り替え
●EVトラック導入
●積載率の改善
↳見えないCO₂も確実に削減

まとめ

●生産過程のCO₂削減は「再エネ×省エネ×工程削減」の3本柱
●工程の多い自動車産業は、削減余地が大きく新しい取組みも活発
遮熱工事と同じく「エネルギー使用量を減らす=CO₂削減」の論理は共通

一般的な工場の消費電力内訳

生産設備:約8割(81%程度)
空  調:約1割(11%程度)
照  明:約1割(8%程度)

【参照】資源エネルギー庁「節電アクション」

感想

再エネの導入や自動車のEV化については知っていましたが、「カーボンニュートラルポート」や「カーボンニュートラルコンビナート」、そして「林業の活性化」といった取り組みは、正直ピンと来ませんでした。
林業の活性化は、この地域では少ないですが、南西地区に行くと比較的多いイメージがあり、6つの柱の一つとして重要視されているのかなと思いました。


環境に優しい取り組み、省エネに寄与する取り組みへの補助だけでなく、衰退産業である林業において新たな収入源としてのグリーンクレジットの考え方にとても共感しました。手つかずの森林に対する整備の費用に充てられると良いなと感じました。


三重県でも再エネや省エネなど、6つの柱で具体的な取り組みが進んでいることを知り、身近な地域で着実に動きが広がっていることを実感しました。また、GHGの削減や気候変動への対応を、リスクとしてだけでなく、カーボンニュートラルの取組みをチャンスとして捉える考え方や、県内の産業・経済の発展に繋げようという点がとても印象的でした。


脱炭素に向けた取組と、産業・経済の発展に向けた取組の両立は難しいように感じていました。しかし、三重県が企業向けに具体的な支援を行っていることを知りました。時間はかかるかもしれませんが、これらの取組から、新しい事業などが生まれる可能性を感じました!

参考にしたサイト

「ゼロエミッションみえ」プロジェクト
https://www.pref.mie.lg.jp/common/07/ci500015713.htm

「ゼロエミッションみえ」プロジェクト推進方針の概要について
https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/001070853.pdf

令和6年度「ゼロエミッションみえ」プロジェクト推進方針の取組状況
https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/001163590.pdf

「ゼロエミッションみえ」プロジェクトについて
https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/001128265.pdf

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